体が酸化してしまうメカニズムとその対処方法

「最近疲れやすくなった」とか、「昔はもっと頑張れたのに」と感じることが、年を重ねていくについて多くなってしまうということがあります。たいへん不本意なことですが、体の老化はだれも避けて通れないものです。
老化は、体が酸化してしまうことによって促進されてしまいます。では、なぜ体は酸化してしまうのでしょうか。そのメカニズムを追ってみましょう。また、酸化した体には実際にどんな悪影響が及ぶのでしょうか。
さらに、どのように酸化を抑えることができるかということと、効果的な酸化対策についてくわしく調べていきましょう。
体が酸化する原因とメカニズム
ではまず、なぜ体が酸化してしまうのでしょうか。酸化のメカニズムについて見ていきましょう。
体が酸化する原因は「活性酸素」
体の酸化は、体内で「活性酸素」と呼ばれるものが活発に働くことによって起こります。活性酸素とは、本来は体を守るために体内で生産される免疫システムのひとつで、体に入ってしまった細菌などの異物と戦い、除去してくれるとてもよい働きをしてくれます。
しかし、体内の活性酸素が多くなりすぎると、体の酸化という老化につながる作用も起こしてしまいますから、活性酸素が増えすぎた状態は、よい状態ではありません。
「活性酸素」がつくられるメカニズム
では、活性酸素はどのように体内で生産されるのでしょうか。まず、呼吸によって酸素を肺の中に取り込みます。
取り込まれた酸素は血液によって体に運ばれていく中で、化学反応によって分解される過程を経るのですが、すべてが完全な化学反応をするというわけではなく、不安定な電子の状態になるものも存在します。
それらのさまざまな不安定な状態に化学反応したものを「活性酸素」といいます。
活性酸素は、体のさまざまな細胞を“攻撃”してしまいます。これは、活性酸素が電子的に不安定であるので、体内の他の物質と化学反応を起こして、安定したものになろうとする性質があるからです。
それで、活性酸素がたんぱく質や脂肪などの酸化しやすい物質と反応してしまい、酸化した体に害を及ぼす物質に変化してしまいます。
年を重ねるにつれて、体に摂り入れた酸素が活性酸素になってしまう割合がどんどん増えてしまうので、老化の症状がいろいろなところにあらわれる原因のひとつになっています。
酸化が体に及ぼす影響
では、活性酸素の影響によって酸化してしまった体内の細胞は、体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
酸化と老化の関係
活性酸素によって攻撃を受けた細胞は、新陳代謝の過程をスムーズに行うことができなくなってしまい、老朽化していくことになります。
その過程を繰り返していると、体には古くなった細胞が多くなってしまい、お肌のきめ細かさや、シミやシワのない美しいお肌を維持することができなくなってしまうのです。
酸化による具体的な症状
さらに、ちょっとした運動をしただけでもすぐに息が上がってしまうのも、酸化の影響によるものです。活性酸素によって酸化させられてしまった細胞は、エネルギーをつくり出す能力が弱まってしまっています。
エネルギーの産出が低下してしまうと、運動をしたりしてエネルギーを使おうとしたときに、必要なエネルギーを得ることができず、体は疲れたという信号を出してエネルギーを要する状況を回避しようとします。
酸化に潜む病気
体が酸化してしまうことによって、さまざまな病気の危険性が高まります。たとえば、活性酸素が細胞の核のDNAを攻撃し、遺伝子の情報を狂わせてしまうと、突然変異の細胞ができ、それががんのもととなる細胞になってしまうこともあります。
このような酸化による体への悪い影響を避けるためには、細胞を酸化させないようにすることが大切です。酸化させない方法として、抗酸化物質を積極的に摂るようにすることが挙げられます。
活性酸素の働きを抑制する「抗酸化作用」
恐ろしい活性酸素の影響を避けるためには、酸化させないために「抗酸化作用」の働きを活かすことが肝心です。
「抗酸化作用」とは
「抗酸化作用」とは何でしょうか。活性酸素の酸化作用を抑えることです。抗酸化作用を機能させるためには、抗酸化作用のある食品を摂り入れることが不可欠です。
ファイトケミカルと呼ばれる物質が強い抗酸化の作用を持っていることで、とても話題になっています。ファイトケミカルにはどんな種類があるのでしょうか。
抗酸化物質の種類
ポリフェノール
ブルーベリーにたくさん含まれるアントシアニンや、緑茶に含まれるカテキン、胡麻の成分であるセサミンなどが、抗酸化作用を持っています。
カロテノイド
トマトのリコピン、ニンジンなどのカロチン、とうがらしなどに含まれているカプサイシンにも強い抗酸化作用があります。
ビタミン類
ナッツ類やアボカドなどに多く含まれるビタミンEなどに抗酸化作用があります。
これらのファイトケミカルの食品を積極的に摂り入れましょう。
抗酸化物質の効果
ファイトケミカルなどの抗酸化物質は、それ自体が酸化されやすい特性があり、体内の細胞が酸化されるより先に、優先的に酸化されていき、体内が酸化してしまうのを防いでくれます。
抗酸化物質の摂取方法
では、抗酸化物質を効果的に摂り入れるための方法をご紹介しましょう。
抗酸化作用のある食品を摂る
抗酸化作用のある食品を積極的に摂りましょう。活性酸素は、体内で継続的に生産されているので、抗酸化物質を摂るのもよい習慣として継続していくことが大切です。
緑茶を飲んだり、緑黄色野菜や胡麻やナッツ類を多く使った料理にしたりすることで、抗酸化力を高めることができるでしょう。
コエンザイムQ10サプリメントを摂取
より簡単にできる方法として、コエンザイムQ10を摂ることもおすすめです。コエンザイムQ10は体内に存在するもので、高い抗酸化作用を持っています。
しかし、年齢とともに体内のコエンザイムQ10の数が減ってしまいます。毎日十分な量のコエンザイムQ10を食品で摂るのは少したいへんなので、サプリメントを利用するのがベストな方法です。
体の酸化を食い止めて健康な生活を目指そう
体の酸化を防ぐには、活性酸素の働きを軽減させることが大切であることがよくわかりました。本来は防御のために働いてくれる活性酸素ですが、過剰に生産されることにより、さまざまな体の不調や老化の原因となってしまいます。
活性酸素の働きを軽減させるには、ファイトケミカルなどの抗酸化物質を摂ることが解決策となります。サプリメントでコエンザイムQ10を補充するなら、手軽で継続可能な抗酸化物質の摂取を確立できることでしょう。