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歯周病の検査は唾液でできる 原因や発症のメカニズムと予防法

「歯周病になったかもしれない」と気になっていて、具体的な症状などを調べてみたいと思っている人や、唾液で歯周病の検査ができると聞いて「自分も検査してみようか」と検討中の人も多いようです。

歯周病は自覚症状がほとんど見られない病気ですが、正確な状態を知り、発症していたら早めに改善したいと思うもの。唾液で歯周病を検査する方法や歯周病のメカニズム、予防方法について解説します。

唾液で歯周病の検査が可能

歯周病に検査が必要な理由

歯周病は自覚症状が少ないため、症状が進行しないうちのしっかりとした予防や治療をするためには、歯科医療機関での検査が必要です。

歯肉と歯の境目が腫れたり、歯を支える歯槽骨が溶けたりするのが歯周病の症状ですが、異変に気付いたときには既に歯がグラついてしまっていたり、抜けてしまったり、といったこともあるのです。

歯周病予防には唾液検査がおすすめ

歯周病の唾液検査がおすすめな理由は、症状がほとんどない歯周病でも、発症していているかを確認することができることです。

歯周病菌の検査は、歯周病菌が発見された後、1980年代に唾液や歯肉溝に溜まっている浸出液から歯周病菌を採り、検査する方法が開発されました。

その後、1990年代に入って、PCR法である遺伝子増幅法が開発されたことにより、PCR法で歯周病菌を検査することが可能になりました。

当初は、検査の価格が高いことが課題でしたが、2000年代からはPCR法よりも検査価格が低く、歯周病菌だけではなく歯周病菌に対する「血清抗体価」を測るための検査も検討されています。

歯周病は自覚症状がほとんどなく、虫歯のように痛むわけでもありません。しかし、唾液検査により歯周病の有無を診断し、症状の進行に合わせた治療が行われています。

唾液検査で得られる効果

口腔内には300~500種類の細菌が存在し、歯周病などの口腔内の病気の原因となっています。

唾液には、それらの細菌からの感染を避けるために、口腔内を保護するという働きがあります。唾液を検査すると唾液の量や質、含まれる細菌数を調べることができ、歯周病やむし歯になりやすい箇所の予防や治療に進むことができるのです。

歯周病とは歯を支える骨を溶かしてしまう病気

歯周病の原因とは

歯周病の主な原因は、歯と歯肉(歯ぐき)の間に、食事で摂取した食べ物のかすなどが残り、歯磨きのときに汚れを落とし切れていないことです。歯の周りに残っている汚れ「プラーク」は、歯周病のもとになる細菌です。

また、喫煙者、糖尿病を患っている人、金属製の詰め物を歯に施術した人は歯周病にかかりやすいといわれています。

放っておくと骨を溶かす危険性がある

歯周病を放置しておくと、歯を支えている部分の骨と歯ぐきがダメージを受けて、溶けてしまう症状に進行する危険性があります。

人の歯は顎の上に刺さっている状態です。歯ぐきのすぐ下に顎の骨があり、歯を支える構造になっています。歯周病になると、顎骨に埋まっている歯がグラつきだし、歯が健康な状態でも硬い物をかむことができず、食べ物をかもうとすると痛みを感じるようになります。

そのままにしておくと、土台の骨が溶け、抜歯する可能性が高くなるのです。

歯周病の予防法

歯周病予防の主な方法は、「プラークコントロール」と「定期的なメンテナンス」です。

プラークコントロール
歯周病やむし歯の原因になりやすい細菌をブラッシングなどで減らすこと
定期的なメンテナンス
歯科医師や歯科衛生士による、フッ素入り研磨ジェルを使用する専門的な歯面のクリーニングや、歯石を取り除く「スケーリング」など

基本的には、歯と歯肉の間に汚れが残らないようにすること、歯垢がつかないようにすることを意識して、歯磨きのブラッシングを念入りに行いましょう。

また、「PMTC」(歯石除去、歯面清掃)などを定期的に行うと、歯に汚れやプラークがつきにくくなります。研磨して磨かれた歯には汚れがつきにくく、歯周病の予防に効果的です。

歯科医院によっては、クリーニングシステムなど、プラークを簡単に除去できるシステムを採用している場合もあります。普段の歯磨きやブラッシングだけでは難しいメンテナンスに、効果的な処置です。

ほかにも、「TBI」と呼ばれる専門医によるブラッシング指導も効果が期待できます。正しいブラッシング方法を身につけることで、汚れや歯垢を溜めずに清潔な状態が保てます。

唾液による歯周病検査

検査項目

ヘモグロビンを調べる「出血検査」

歯周病が進行すると、歯肉の組織がダメージを受け、歯ぐきから出血するようになります。そのため、歯周病の検査においては、唾液中の「ヘモグロビン(Hb)」を調べることで、出血状態を見る検査を行います。

「出血(+)」と判定されると、歯周病菌の改善に向けた治療が始まります。

LDH炎症検査

身体に含まれている酵素「LDH(乳酸脱水素酵素)」は、一般的には肝機能検査で採用される検査項目です。歯周病が進行するときに歯肉組織がダメージを受け、唾液中にLDHが流れるため、最近では、歯周病検査でもLDH値が調べられるようになりました。

検査結果において出血が(-)であっても、LDHが(+)の場合は多くが歯周病であることが明確になっています。

検査方法

  1. 無糖ガムを使用します。約5分かみながら、紙コップに唾液を溜めていきます。
  2. 唾液をスポイトで吸い上げて、固定液の入った検査容器の赤い線まで入れます。
  3. しっかりとキャップを閉めて、容器を3~4回ほど上下逆さにして、固定液と唾液をよく混ぜます。
  4. 残りの唾液(固定液と混ぜなかったほう)を別の容器に入れて、キャップをしっかり閉めておきます。

歯周病は唾液で感染するのか

唾液で歯周病の感染はあり得るか

歯周病は、歯の周りにある骨や筋肉、口腔内の皮膚などが細菌感染のダメージを受けることによりおこる慢性炎症性疾患です。

歯周病は、直接伝染することはないとされています。なぜなら、感染するのは歯周病菌であって、歯周病自体ではないからです。キスなどの接触をした際に、唾液を通して口内の細菌がほかの人の口内に移ることになります。

そのため、歯周病自体は感染しませんが、歯や歯肉の汚れであるプラーク内の歯周病菌が、感染してしまう可能性があります。

放置せずに改善したい歯周病対策

歯磨きが上手にできない場合や、糖尿病などの何らかの病気を発症している場合には、自覚症状がなくても、すでに歯周病になっていることも考えられます。歯周病になると、歯や顎骨が深刻なダメージを受けてしまうこともあり、危険です。

歯周病の予防や改善方法をチェックしておき、いつでも清潔できれいな歯でいられるようにしましょう。

  • 歯周病は口腔内にある細菌が、歯と歯肉の間に溜まった汚れ(プラーク)となることが原因である。
  • ブラッシングをしっかりして、歯石が溜まらないようにする。
  • 歯科医院などの「PMTC」やクリーニングシステムを活用する。

自覚症状がないだけに、遅れてしまいがちな歯周病対策。気がついたときから始めてみるのがおすすめです。

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